スタッフのつぶやき

獅子舞から感じた畏怖・畏敬の念

  • 投稿日: 2018年02月16日 著者:            箕浦 有希久

先日,東北地方のある地域で伝えられている伝統的な神楽・獅子舞を見学する機会がありました。

内容はおそらく典型的な獅子舞の形で,獅子の頭と布を用い,笛と太鼓のリズムの中でストーリーが展開します。
初めて生で鑑賞する獅子舞から私が感じたのは,「恐怖」でした。

獅子舞において黒い布で表現された獅子の体躯は,明確な動物の四肢の形を成していないため,かえって不気味さを増しています。
暗闇にうごめく怪物のおぞましさがリアルに思い起こされます。

獅子の鳴き声をシンプルな笛のようなもので表現しているのですが,これがまるで赤ん坊の泣き声のような音色で,なんともいえない戦慄をおぼえます。

獅子舞の獅子はまさに怪物(モンスター)です。
夜の暗闇にひそむ野獣や自然の脅威そのものを体現しています。

そして獅子舞のストーリーは驚愕の展開を迎えます。
獅子を討つためか鎮めるためか,舞を演じつつあらわれた人間は,背後から獅子に飲み込まれてしまいます。
食われた人間の骨と衣服をあらわしているのでしょうか,獅子は扇子と帯を吐き出します。

西洋風のストーリーであれば,英雄が怪物を打ち倒し,姫や宝を救い出してハッピーエンドとなるでしょう。
自然の中の脅威に抗い,それを征服し,勇気をもって安全を勝ち取る世界観です。

いっぽう獅子舞で表現されていたのは,人間が怪物に敗北して犠牲を払い,自然の片隅で恐怖に震えながら生きる世界観です。
このような世界観の下では,常に自然への畏怖・畏敬の念が絶えることはありません。
おのずから「私たちは生かされている」という気持ちにもなるでしょう。

こんなに恐ろしくて救いのない物語を,観る側は喜びながら鑑賞します。
最後は観客が前に並び,獅子に頭を三度噛まれて,めでたいめでたいと言って締めくくりです。
小さい子どもは親に抱きかかえられて,泣き叫びながら獅子に噛まれます。
親はニコニコ笑いながら,顔を真っ赤にして泣く我が子の記念写真を撮ったりします。

親子で,安全な恐怖を共に体験すること,自然への畏怖・畏敬の念を分かち合うこと,これらが将来の親子の絆や地域との結びつき,自分や他人を尊重する姿勢を作っていくのではないか,そんなインスピレーションを感じる体験となりました。

農学と農業実践

  • 投稿日: 2018年02月09日 著者:            松田 佳尚

実家は新潟県のコシヒカリ米農家です。農業には元々興味がありました。
転機となったのは一年前、同志社大学・経済学部の岸基史先生が、お子さんを連れて当センターの調査に参加くださった時です。私の農業活動の始まりでした。
同志社大学・経済学部は、岸ゼミを中心に奈良県生駒市高山町にある里山きゃんぱす(※ひらがな表記)で里山保全活動を行っています。
http://www.satoyama-campus.com/

ゼミ生と地元の農家さん、地域の子ども達、野草の会、育児支援サークルの方達等が一緒になって、「自然栽培」による米や野菜作り、そして加工品の販売までを行っています。採れた野菜を食べてみて、ビックリしました。とにかく美味しい!甘み、香り、深み、どれも鮮烈なのに、尖っていない。口に入れた時の力強さと存在感、そして優しさ。野菜のポテンシャルを感じました。
こんな恵まれた環境の中だからこそ、昨年から社会生活でシンドさを抱えているお子さんのグリーン・ケアも少しずつですが始めました。迎え入れてくれる地元の子ども達の存在が欠かせません。また、ゼミ生さん達のホスピタリティが高く、さりげなく、ですが感度良く接してくれて、さすが、と感じ入っている次第です。

 さらに里山きゃんぱす以外にも、ここ木津川市は、京都大学大学院・農学研究科附属農場が移転してきたところです。折良く、今年度から社会人履修プログラムとして、「農業と農学の最前線〜次世代農業マイスター育成プログラム〜」が開講されました。
http://www.farm.kais.kyoto-u.ac.jp/shakajin-rishu
私も第1期生として、1年間受講しましたが、座学と実習が毎回毎回面白く、目からウロコの連続でした。受講生も20代〜70代と幅広く、農業の裾野の広さを再確認した次第です。農「学」で意味と理屈が分かると、また農業に対して俄然やる気が湧いてきます。
医食同源の原点に立ち返り、次男のアトピー性皮膚炎の原因を考える。農業コミュニティの強さを再認識し、将来のこの国の在り方を考える。昨年は原点回帰した大切な1年でした。

「けんちゃん」

  • 投稿日: 2018年02月02日 著者:            東谷 理恵子

私の職場には、「けんちゃん」という愛くるしい人気者がいます。
優しい栗毛色の髪に大きい瞳。いつも微笑みを絶やさず、手足は本当の赤ちゃんのように動きます。
けんちゃんは、ドイツ製の人形で、赤ちゃん調査に使用します。
7、8か月頃の赤ちゃんがモデルですが、ドイツ生まれのため日本の赤ちゃんよりは大きくて重いです。
けんちゃんは、職場にやってきた時から人気者だったため、愛称をつけることになりました。
当時、長男が大学進学で家を離れ、音信普通となって寂しかった私は、長男の幼少時代の愛称「けんちゃん」を提案したところ、その愛称が採用されることになりました。

子育てが終わって急に寂しくなることを「空の巣症候群」といいますが、当時の私はまさにその状態でした。長男が大学合格後、すぐに下宿先を見つけ、そのまま家を離れていった時、いつまでも子供と一緒に暮らすことが当たり前ではないということを思い知らされました。また、一緒に生活していた時は喧嘩ばかりで、思春期だったとはいえ、もう少し長男のことを理解してあげることができたならと後悔もしました。

でも、幸いなことに可愛い「けんちゃん」の登場で、本物の「けんちゃん」となかなか連絡がとれないことも、親離れして元気にやっている証拠と楽観的に考えれるようになりました。

「けんちゃん愛」の話は尽きませんが、機会があれば「けんちゃん」に会いに赤ちゃん調査にお越し下さい。是非お待ちしております。

箱根駅伝

  • 投稿日: 2018年01月26日 著者:            橋詰 周子

私にとってお正月の楽しみといえば『箱根駅伝』です。

毎年1月2日、3日は朝8時から午後2時ごろまで余程の用事がない限り、テレビの前から動きません。

箱根駅伝は、東京-箱根間の往復を2日間かけて10人で約217キロを走ります。1人約20キロ前後を1時間近くかけて走るのですが、スタートから最後のチームの選手がゴールするまで見続けます。特に応援している大学というのはありません。家族にはそんなにずっと見なくても・・・と思われてるようです。

私には一度スタートしたら目が離せない、最初から最後まで感動の連続です。
中継地点でのタスキリレーはもちろん、トップ争いやシード権争いでの選手のかけひき、前後に選手がいない中、黙々と走る選手、一番最後でもあきらめずタスキをつなぐために一所懸命走っている姿など、すべて見逃せません。中には途中で体調を崩したり、アクシデントで最後まで走れるか心配な選手がいたりして、ハラハラすることもあります。そんな選手をチーム全員で助け合いゴールを目指す。また胸が熱くなります。

今年は青山学院大学の4連覇で終わりました。また来年どんなレースを見せてくれるのか、今からとても楽しみです。

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