さまざまな「子どもの心の問題」が社会問題化している現在、 そのような問題に対処するためには、問題の根本にある子どもの心や身体の発達とその関係について総合的に研究する必要があります。赤ちゃん学研究センターが取り組む「赤ちゃん学」とは、小児科学、発達心理学、発達神経学、脳科学、教育学、保育学、物理学、ロボット工学、倫理学など多様な視点から、人間の起点である赤ちゃんを研究する異分野融合型の新しい学問領域のことです。
研究対象は幅広く、赤ちゃんの運動、感覚・知覚、認知、言語、社会性などの各機能の発達プロセスとその障害のメカニズムの解明、およびその支援、さらには、胎児や乳幼児の人権にまで及びます。誰もがみな、かつては赤ちゃんでした。赤ちゃんに秘められた謎を慎重に、しかし果敢に解いていくことは「人」を知ることになるのです。