スタッフのつぶやき

いつものランチタイム

  • 投稿日: 2018年12月28日 著者:            小西 かおり

赤ちゃん学研究センターでは、仕事が一段落したころ、それぞれがお弁当を持って、食事ルームに集まります。今朝見た芸能ニュース、最近食べた美味しいスィーツ、週末出かけた旅行の話など・・かしましい!がまさにぴったりのランチタイムで、男性陣は食傷気味でしょうか・・毎度、にぎやかに場所を占領してしまって、ちょっと申し訳なく思っています。
食事をしながら、聞かせてもらう話には、毎回のように「へぇ〜」と驚きがあり、長く一緒に仕事だけしていても見えてこなかった仲間のすごいとこ、おちゃめなとこ、なんかが知れて、次の仕事では、前より意見交換が上手くできたりする気がします。

ある日、Yさんが、ご実家で実ったキウイをたくさん持って来てくれました。いつもパソコンの前できびきび働いているYさんが、お休みの日は山の中で自ら収穫されている姿を想像して楽しくなりました。そして、歓声とともにみんな口々に言いたい事言う・・。
「毎朝、欠かさずヨーグルトと食べているから嬉しい」「えぇ〜毎日は飽きる」
「まだ固いから、りんごと一緒に保存して甘くなるのを待って」「それはなんだかりんごがかわいそ〜」「なんでかわからんけど、りんごの何かが働いているのは確か」「じゃあ固いアボカドも同じように美味しくなるかな?」 一同「・・・わからん?・・・」

日常のテキトーな会話を書いてしまってすみません。・・で調べました。
りんごに多く含まれるエチレンガスは、野菜や果物の成長を早める働きがあり、固いキウイもアボカドも、りんごと一緒にビニール袋に入れて保存すると追熟が進み美味しくなるそうです。なので、葉物野菜は、かえって一緒に保存するのは老化を早めるので×、ジャガイモの芽がでるのを遅らせる働きもあるそうです。私がいただいて帰った3つのキウイは大きめ王林ひとつとビニール袋に入れて、常温で1週間、甘いデザートとしていただきました。

平成30年の最後に、とりとめのない「つぶやき」におつきあいくださりありがとうございました。
皆様、どうぞおすこやかに、新年をお迎えください。

ま、いいか。

  • 投稿日: 2018年12月14日 著者:            川西 康之

長男が朝、着替えた後に、パジャマを脱ぎ捨てている。
「こら〜!脱いだパジャマをちゃんと片付けなさ〜い!」

長女が夜、食べ終えた食器をそのままにして弟と走り回っている。
「こら〜!食べたら食器を流しに下げる〜!」

次男が大好きな餅を食べている。気がつくと餅を手に走り回っている。
「こら〜!食べるときは座って食べなさ〜い!」

次女がお風呂上がり、裸で部屋中を駆け回っている。
「こら〜!おふろ上がったら、さっさとパジャマを着なさ〜い!」
 
 
しかし私の声は、まるで存在すらしなかったかのごとく、子供達は私の指示に従わない。
はあ・・・・・・・・・

 

 

ま、いいか(笑)


長男と二人で旅行に。香川県の高松から小豆島に行くフェリーから夕日を眺める。
アヒルがジェットを吹いてぶっ飛んでる様に・・・見えま・・せんかね(笑)。


小豆島の四方指展望台(標高777m)からパチリ!

発達と世の中の見え方(言葉による世界の分節化) :赤ちゃん学とソシュール

  • 投稿日: 2018年11月30日 著者:            加藤 正晴

むかしむかし、スイスにソシュールという言語学者がいました。
ある日彼は、言語の仕組みについてすごいことを思いつきました。
それまで言葉は世の中に存在するモノを指し示すためのラベルであると考えられてきました。たとえば、蝶(ちょう)という昆虫がいるから蝶という名前がついたというような。モノが先で、名前が後、という関係ですね。

でも、もしかしたら逆ではないか。つまり、名前がつくことが先で、その結果、対象が他のモノから分離し、浮き上がってくるというような関係。
たとえば、蝶という言葉があることで、蝶という昆虫が認識され、他の昆虫(たとえば蛾とか)と区別されるるようになったのではないかと彼は考えたのです。

「うそだー」って思う?

でも、私たちが赤ちゃんから子どもにかけて言葉を覚えていくときのことを想像してみてください。モノの名前を覚えることが先で、その後にモノの概念を獲得していきますよね?
犬をみて、「ワンワンだよ」と教えられた子どもが、ネコを見ても「ワンワン!」って言うのは、まだ犬も猫も区別ができていない同じ種類のモノと考えている状態です。そこで大人が「あれはワンワンじゃないよ。ニャーニャーだよ!」と教えることで子どもは両者の違いに気づき、犬と猫を違うモノとして認識するようになります。

大人同士でも似たようなことを起きています。たとえば私たち日本人(正確には日本語話者)にとって、明快に異なる蝶と蛾(が)は、フランス人(フランス語話者)にとっては、同じモノ、おなじ「パピヨン」という言葉で表されます。
モノが先で名前が後なら、どんな言語であっても世の中は同じように区別され、切り取られ、整理されるはずですが、実際にはそうなっていません。

私たちは、生まれたときは言葉を喋れず、その後の経験の中で身につけていきます。ですから、言葉を覚えるということは、同時に世の中をどう認識するかを、育つ文化圏に応じて、身につけていくことになります。私たち一人一人が成長するとき、世の中をどう見るかは言葉の獲得を通じて無意識のうちに形作られるのだと言えます。

まだ信じられない人には別の例を挙げましょう。
皆さんにとって虹は何色ですか?日本人にとって虹は七色(赤、橙、黄、緑、青、藍、紫)ですよね。
でも、西洋では虹は七色ではなく六色です。他の文化圏、たとえば、モンゴルでは虹は赤、黄、青の三色しかないと言われています。
同じモノをみて、同じ目の構造、脳の構造を持っているはずなのに、どうして虹の数が変わるのでしょう。これもまた、言葉を通じて世の中をどう見えるかが規定されていることを示す例といえませんか?(これを言葉による世界の分節化といったりします)

「順番は守りましょう」とか「人の話は良く聞きましょう」といったことは、確かに経験(あるいは教育)によって学ぶものです。けれども、この、「世の中の見え方」は無意識に獲得されるものであるため、あらかじめ人間が共通して持つ能力で、だれでも同じように世の中を見ていると思いがちです。たしかにだいたいは同じなので、他の人と自分で見え方に違いがある!と気づくことは滅多にありません。でもふとしたところでこの違いにでくわし、私たちはびっくりします。こういうのを知るのって楽しいですね!

「世の中をどう見るか」は育つ文化圏に応じて変わるといいましたが、その一方で異なる文化圏で「世の中の見方」が全然違う!なんてことは起こりません。これはどうしてなのでしょう。この話については、次回私の専門分野の「知覚」を絡めてお話ししたいと思います。

最後になりましたが、赤ちゃん学研究センターでは、ヒトがひとになっていくための仕組みについて興味を持つ人たちが集まっています。皆さんも一緒に考えてみませんか?

ちなみに、この斬新な考え方を発見(発明?)したソシュールさんは、これを世の中に問う(論文を書く)ことをせずに死んでしまいました。でも彼は近代言語学の祖と言われています。どうやって後世に残ったか。これは授業をうけた学生達が奮起して自分たちのノートを持ち寄り、講義録を作ったんですね。なんて先生冥利に尽きる話なのでしょう〜(^^)

よろしければこちらのお話しもどうぞ!

奈良派。

  • 投稿日: 2018年11月16日 著者:            小野 恭子

奈良に住んで11回目の秋を迎えました。
いいところです。
とかいって、ホントのことを言えば、東京にいたころは“奈良県”の場所を考えたこともなかったのです。

2008年夏、東京の大学にあった研究室が10月に同志社に移ることが決まり、あわててネットで京都市内で住処を探してみたものの、なかなかピンとくるものに当たらない。
とりあえず、研究室の引っ越し作業だけでも大変なので、私の家探しは研究室が移ってからでもいいかな…と思っていました。
たまたま仕事の関係でよく連絡をとっていた大阪の方から「引っ越し先はみつかりましたか?」と聞かれ、「京都で探してみたんですけど、なかなかねぇ」とお答えすると、「おのさん、木津川市ですよね?それやったら京都より奈良ちゃいますか?」と。
奈良?
奈良ってどこだっけ?
というのが正直な気持ちで…今思えば、ひどい話です。
そのときすでに9月も半ばになってました。

あわてて調べてみると、研究室の移動先の “木津川市”は京都府の最南端で隣は奈良市。
では、奈良市で探してみるか…と検索したところ、1件だけ、これなら住んでみたい!という物件にあたり、9月下旬の大阪出張の際に内見して、もう心は決まりました。
研究室が10月1日に始まることもあり、私がその家に入ることはできたのは、10月4日でしたけど。(それまでは、けいはんなプラザホテルに泊まってました。)
さらに、東京の家財を奈良に移動させるには行ったり来たりしながら2ヶ月を要したのですが、今もまだ、10年前の怒涛の流れは鮮明に記憶に残っています。

そんな流れにのって住むことになりましたが、10年の間に奈良の四季は私の中に刻み込まれ、今なお新鮮に映ります。あまり奈良でゆっくりできる時間がなかったからかもしれませんけど。
奈良の歳事は挙げればキリがないですが、私が毎年「確認」しているのは、東大寺の修二会(お水取り)と正倉院展。お水取りがなければ春が始まらないし、正倉院展がなければ秋が深まらない。そして、毎年「確認」するたびに奈良に住めたことの幸せをかみしめています。
「わたしは、奈良派。」
という近鉄の広告を見るたびに、「はぁ~い!」と心の中で手をあげ、11年目も楽しみます。

大好きな景色(大仏池周辺の紅葉と大仏殿と若草山)

ちなみに。
“お水取り”について語るとしつこい!長い!と皆さまから苦笑いされますので、その話はまた今度。

大好きな景色(修二会の松明が上がる階段下)

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