著者: 加藤 正晴

マンガの話

  • 投稿日: 2016年04月22日 著者:            加藤 正晴

赤ちゃんは言葉をしゃべりません。しゃべらない赤ちゃんはどんなことを考え、どんなことを伝えたいと思っているんだろう。

それが知りたいとき、僕たち大人は赤ちゃんをよく観察します。赤ちゃんに働きかけ、その反応を観察するという、言葉を用いない「聲(こえ)をかわす」ことで、赤ちゃんについてもっと知ろうとする態度、これが赤ちゃん学の根本的な姿勢です。でも、この姿勢は本当は研究場面だけじゃなく、赤ちゃんに対してだけじゃなく、子どもに対しても、大人に対しても、健常者に対しても、障がいを抱えている人に対しても、すべてに対して持つべき姿勢ですよね。
むしろ言葉を介した会話は、相手を理解するのを妨げることがあるのかもしれない・・・そんなことを以下に紹介するマンガを読みながら思いました。

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『聲の形』大今良時

このマンガは赤ちゃんの話を書いたマンガではありません。耳が聞こえない少女とその少女をいじめ抜いた少年の物語です。いじめと障害というテーマのインパクト、繰り返し読むほどに圧倒される綿密な伏線。初めのうちはそういったものに目をくらまされて、それだけですごいマンガだと思ってしまいます。
でも、はじめの熱が冷めた後にも常にこのことを考えないではいられないぐらい、影響を与えられてしまいました(そんでこんなところに駄文を書いてしまってる^^;)。
このマンガのテーマは、人と人とが繋がることの困難さ、繋がろうとする姿勢の尊さ、そして許すこと、だとおもいます。
精進しないと。。

それにしても日本のマンガ文化はなんて豊穣なんでしょうね!!

7/12追記
映画になるのは知っていたのですが、新たな情報がこんなにでているとは!
演じる方々のコメントが、みなこの作品に真剣に向かい合ってくれているのがわかり、ますます楽しみになっています。
聲の形、キャストコメント

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