もうすぐ春~ですねえ~
と聞こえて来たら…恋をしてみませんかあ~
と心の声が口ずさんでしまう。
この現象…もう共感者は多くはないな。
小さなツッコミを繰り返す単調な毎日だが、
先日のちょっぴり嬉しかった出来事を一つ。
私はコーヒーが好きだ。
と云うても、ツウではないので、コクも酸味もよくわからない。
ツウ好みの珈琲専門店も知らない。
私が時々だが、数回行ったことがあるのは、
お店とオーナーご夫妻の雰囲気が穏やかで心地良いコーヒー屋さん。
最近バタバタして足が遠のいていた。
ゆったりした空気のお店なので、ゆったりしたら行こうと思っていた。
そんな中、一時はお洒落の代名詞にもなった大手有名コーヒーチェーン店がオープンした。
味はともかく話題のお店に一度は来店してみたかったので、
行列覚悟で、甘いめのコーヒーを飲みに出かけた。
混んではいたが、窓際の席に収まったので気分は良い。
甘いめも頃合いだった。
ただ紙カップを口元に運ぶ度にあのゆったりコーヒー屋さんが恋しくなってきた。
実はその日、あのお店は定休日。
しばらく行けへんやろなあ…。
……その時、不意に声をかけられた。
「こんにちは」
「え?!」
あのオーナーご夫婦さんがニコニコとしてお辞儀してくださっている!!
「アー!!、こんにちは!、こんなところで?!」
思わぬ出会いにビックリしながら近況報告じみた雑談をする私もニコニコ。
ただ…最近お店に寄せてもらってないので少し気後れしながらだった。
けれどオーナーご夫婦さんは、 全くいつもと変わらず優しい語り口調で二言三言。
お二人が、席に戻られてから、ようやく思い気づく。
彼らは妹さん連れの完全プライベート。
常連でもない私にわざわざ挨拶を交わすためだけに
混雑した中、お二人揃って席を立ってきてくれたのだ。
数ヶ月ご無沙汰のたまの客に義理など無いのに
わざわざ足を運んでくださった!
ちょっぴりではなく、本当はとっても嬉しかった出来事。
私はコーヒーが好きだが、
それよりも好きなコーヒー屋さんがある。