「ワンちゃん」を飼って暮らす日々をめざして楽しみに退職したものの、なかなか実現していない。家人は動物慣れしていないためか、端から拒否的。「毛が散る」とか、「匂い」を持ちだして、くる。掃除機をかけるのは、彼と決まっているような日々で「毛が散る」問題は説得しようがないまま来てしまった。その上、このところの猫ブームにつられて気持ちがゆらぎ、朝から岩合さんの猫たち(15分番組)に見とれる始末で、いつになったら「ワンちゃん」との日々が現実になるかが目下、一番の気がかりなこと…と、かなりのんきな毎日で、一番の発見は「世界はこんなに綺麗だったの!」である。
幼児期からの…というか生まれつき?の強度近視で、ぐりぐりメガネ(ご存知?牛乳瓶の底)が手放せない人生だったが、眼底のトラブルも抱えていて、それらの治療の中で「水晶体」の入れ替えを勧められた。水晶体が劣化するいわゆる白内障が進行して、診察と治療が困難になったらしい。2月から4月にかけて2回の手術を経験したが、厳重管理の手術に驚き、そして一番の驚きは(@_@)…。「白」はこんなに白い色だったの! 空はこんなに青かったの! 都会の街並みはこんなにも綺麗だったの! と、何を目にしてもびっくりマークの綺麗さに驚く毎日だった。
多分「赤ちゃん」の目はこんなふうに、眼にする人や眼にするもの全ての色や形を鮮明に見ているのだろう。これまで、赤ちゃんの音声研究を行ってきて、その声が表出する「感情性」の豊かさに感動してきたが、自分自身の目が生まれたてのようになったことで、赤ちゃんの「聴く」ことや音声表出に関する研究にも、さらに新しい気持ちでじっくり取り組む覚悟ができたのである。