医師になって12年、研究者の世界に入って7年が過ぎ、最近ふと感じることは、バランスをとることって大切だな〜ということです。
例えば、母乳が子供の成長にとって好ましい影響がある、という報告はたくさんあって、助産師さんも産婦人科医も、妊娠中から出産後まで、お母さんが母乳で育てられるように一生懸命応援してくれます。しかし一方で、どうしても母乳が出なかったり、赤ちゃんが吸えなかったり、はたまた持病で内服している薬のため飲ませられなかったりと、様々な理由で母乳栄養ができない状況の方々もいらっしゃいます。すると、お母さんはどうしても自責の念を強めてしまいがちで、産後はただでさえ気持ちが落ち込みやすいのに、母乳栄養ができないことで、抑うつ症状が悪化してしまったりすることもあります。もう少しミルクの価値を見直してもいいのではないかなぁ、と感じています。
他の話題では、例えば日光浴なんかも最近は評判があまりよくないようで、日光は肌に悪いからと、子供に日焼け止めを塗って日光に当たらないようにしたりする方を見かけることもある気がします。昔は母子手帳にも、日光浴をしましょうと記載されていたのが近年なくなってしまいました。
もちろん、真夏の暑い炎天下に晒し続けると、熱中症のリスクが上がりますので、気をつけなければいけないのは当然ですが、一方で日光浴は10−15分ほどで体の中にビタミンDを作りますので、骨を強くしたり、アレルギーを予防したりする効果もあります。特に朝日を浴びることは、体内時計をリセットしてくれますし、セロトニンというストレス解消に作用する神経伝達物質も増やしますので、気持ちを明るくします。また夜のメラトニンを増やして睡眠をよくする効果も期待できます。
そのようなわけで、いろいろなことの効果やデメリットが明らかになると、ついそちらに傾きがちになるのですが、当然メリットとデメリットが出てきますので、どちらも知った上で、上手にバランスを取れたらいいなぁ、と思いますが、みなさんはいかが思われますか?
最後に、、、
私ごととしては、この4月からまた臨床医として働くことになりましたが、赤ちゃん学研究センターにも在籍させていただき、研究者としての活動も続けております。医師としての臨床と研究のバランスをとって、あと家庭と仕事のバランスをとって、ついでに父親と夫のバランスもとって、、、バランスに気をつけ過ぎないように、バランスを取りたいと思います(笑)