赤ちゃん学カフェ(第11回)「お子さんのリズムを感じてみませんか?」の報告

報告
  • 開催期間 2018年12月12日 ~ 2018年12月12日

2018年12月12日に第11回赤ちゃん学カフェを開催しました。
約30組の親子の方々や赤ちゃん学に興味をお持ちの方にご来館いただき、にぎやかで楽しい会になりました。

今回は埼玉大学名誉教授で当センター嘱託研究員の志村洋子先生を講師に迎え、赤ちゃんと音の関係についての講演会でした。スライドを使った講義から始まり、子どもたちが会場に慣れてきたところで、子どもとリズムで遊ぶ為のウォーミングアップの歌の紹介、そして実際に楽器や音のなるおもちゃを使って、親子でリズム遊びという流れで行なわれました。

講義では、子どもの耳は16歳くらいまでかけてようやく大人の聞こえに近くなるので、未完成な子どもの耳では大人のように色々な音があふれた中で必要な聞きたい内容を選択することが難しく、子どもの耳の成長を大切に見守らなければならいというお話と、乳児にはただ音やリズムを与えるのではなく、大人と乳児が同じ音やリズムを共有することによって気持ちが共感できるという研究結果の紹介などがありました。

講義の後は、音のなるおもちゃ遊びの時間。先生からの大切なアドバイスは、「子どもが選ぶのを待つ。」、「子どもに音の鳴らし方を教えない。」、子どもたちは自分でおもちゃを選び、ふったり、おしたり、たたいたりして、音やリズムを楽しんでいました。大人はつい、先回りして教えてしまいがちですが、好きなようにして実際に音が出た時、子どもたちはとても嬉しそうな表情をしていました。最後はみんなで「手をたたきましょう」を歌い、今回の赤ちゃん学カフェは和やかに閉会しました。

ご参加下さった方より、「家と違う子どもの行動の発見があった」、「とても大切なことが聞けて良かった」「家庭での音の環境に気をつけようと思った」などのご意見をいただきました。
たくさんの方にご参加いただきありがとうございました。

良心学研究センターとの合同公開シンポジウム「子育てと良心」を開催しました(報告)

研究会
  • 開催期間 2018年11月29日 ~ 2018年11月29日

2018年11月29日 良心学研究センターと共催で、公開シンポジウム「子育てと良心」を開催しました。

今回のシンポジウムでは、同志社女子大学 塘利枝子先生と京都大学 霊長類研究所 友永雅己先生をお迎えし、子どもの発達過程において求められる「良い子」の姿を多角的にとらえると同時に、人間の子育ての特徴を知るために、ヒトとチンパンジーの子育ての差異と類似点に着目しました。子育てを大きな視点から理解し、子育てにおける「良心」の役割を共に考えました。

塘先生には「小学校教科書の中に「良い子」はどう描かれてきたか -文化・歴史的考察から-」をテーマに、各国、各時代の国語の教科書の事例を紹介しながら、背後にある社会が子どもに期待する「良い子」の姿が教科書の中に反映されていること、その「良い子」の姿は国や文化によって異なり、社会・経済状況の影響を受けて変化していることをご講演いただきました。家族の多様化、グローバル化が進んでいく中、こうあるべきという理想像だけでなく、多様性を見せていくことが日本の次の世代の教科書には必要ではないか、というお話には参加者アンケートでも賛同の声をいただきました。

友永先生は、「チンパンジーの子育て‐比較認知発達科学の視点から-」という演題で、チンパンジーの認知と行動の発達、また、霊長類研究所での実際のチンパンジーの動画などをご紹介いただきながら、人工飼育下で育ち、「子育て」を見て、学ぶ機会のなかったチンパンジーに現れる育児困難とその改善への取組みについてお話いただきました。
チンパンジーは教えようとして教えないけれども人間は意図的に教えようとする。その違いがあるにもかかわらず、チンパンジーにも「見て 学んで」受け継がれた文化があり、それが失われると、できない行動がでてくる。子育てもそのうちの一つではないか、という話を興味深く聞かせていただきました。

講演の後には、講師と本学心理学部 教授で同志社小学校 校長の内山教授、良心学研究センターの小原センター長、赤ちゃん学研究センター 加藤准教授とのパネルディスカッションが行われました。また、会場の参加者からも質問が多く上がり、活発なディスカッションが展開されました。

最後に、良心学研究センター 小原センター長が「今日のシンポジウムで結論が導き出されたのではなく、我々が考え続けなければならない課題を共有できたことが大事だと思う。同志社創立143周年の日に、新島襄が願ったことと今日の議論と重ねて考え、規範性のみを重視するだけの教育ではなく、少し踏み出せる自由度を持った学生やこどもをどのように育てていくことができるのかを、両センターが考え、研究し、その成果を皆さんとシェアできる今日のような機会を今後も持ち続けていきたい」と総括しました。

シンポジウムの模様は、YouTube良心学研究センターチャンネルにてご覧いただけます。

次回は2月に赤ちゃん学研究センターにて定期セミナーを開催する予定です。詳細が決定しましたら、当ホームページにてお知らせいたします。ぜひお越しください。

第13回定期セミナーを開催しました(報告)

研究会
  • 開催期間 2018年10月4日 ~ 2018年10月4日

2018年10月4日 第13回定期セミナーを開催しました。
定期セミナーは、人の発達にかかわる様々な研究者を結びつけ、最新の赤ちゃん学の知見を得ていただき、情報共有の場となることを目指し、2016年度から「文部科学省認定 共同利用・共同研究拠点」の事業の一環として行っています。

今回は、「赤ちゃんの発達」に発達検査、臨床、基礎研究を通して関わってこられた、京都国際社会福祉センター発達研究所研究員 大谷多加志先生をお迎えして、「赤ちゃんのそだちをどう見るのか 〜発達評価、発達アセスメントの視点から〜」をテーマに開催しました。

乳幼児健診等で行われる発達検査は「平均的な発達」を基準としていますが、時代や生活環境によって「平均的な発達」は変化していきます。現代に合った発達検査の作成のため、現在、赤ちゃん学研究センターで共同研究「現代の乳児の平均的な発達についての調査(新版K式発達検査改訂版作成のための研究)」を行っていらっしゃる大谷先生。今回のセミナーでは、「発達検査」がどんなものなのか、何がわかるのかを、具体的な事例を出しながら説明くださいました。
随所に、クイズや、先生のお子さんが発達検査を受けている様子の動画を挟みながらセミナーが進行され、参加者からは笑い声もおこり、和やかな雰囲気に会場は包まれました。

発達検査は子どもの育ちを数値化し評価するツールと捉えられることがあるが、それだけではないことを知ってもらいたい。子どもの一般的な発達の順序や理論を知っておくことも重要ではあるが、目の前の子どもをひとりひとり丁寧に見ていくこと、また「ひとりだけ」「親だけ」ではなく、「たくさんの人の目・場所」で子どもの育ちを見ていくことの大切さをお話しいただきました。

今回はセミナーの開始時間を18時とさせていただきました。遅い時間のスタートではありましたが、自治体の保健師の方、発達支援の現場に関わられている方などが、お仕事が終わられた後に大勢お越しくださり、「ていねいな説明で、乳幼児の発達についての理解が深まりました。」「とても参考になりました。乳幼児健診の場でも今日得た知識をお母さんたちに教えたいです。」などの感想をいただきました。

次回は、良心学研究センターとの合同シンポジウムを2018年11月29日(木)、今出川キャンパス 同志社礼拝堂にて行います。同志社女子大学 現代社会学部 現代子ども学科の塘 利枝子先生、京都大学 霊長類研究所の友永 雅己先生をお迎えし、「子育てと良心」をテーマに開催する予定です。ぜひお越しください。

赤ちゃん学フェスティバル2018~ようこそ赤ちゃん学研究センターへ~を開催しました(報告)

報告
  • 開催期間 2018年9月2日 ~ 2018年9月2日

『赤ちゃん学フェスティバル2018~ようこそ赤ちゃん学研究センターへ~』を開催させていただきました。このイベントは調査にご協力いただいている方々をはじめ、子育て中のおとうさんやおかあさん、地域の皆様に私たちの研究活動を知っていただき、赤ちゃん学研究センターをより身近に感じていただけることを目的としております。

今回は”子どもの眠り”についての講演を中心に、そのほかいろいろな楽しい企画を行いました。写真を交えながら当日の様子をご報告したいと思います!

赤ちゃん学カフェスぺシャル担当より
赤ちゃん学カフェスペシャルには、多くの方にご参加いただき、ありがとうございました。
睡眠が健やかな心と身体の維持のために大切であることは、ご存知の方も多いと思います。
今回のお話を通じて、お子さん特に、乳幼児のお子さんにとって睡眠は発育上とても大切な
ものだと改めて感じていただけたら幸いです。


今回は予想をはるかに超える賑わいで、たくさんの方にご来場いただきスタッフ一同
大変嬉しく思っております。
混雑の中、皆さんのご協力で無事に終わりましたこと感謝申し上げます。
またお忙しい中アンケートにもご協力いただき、スタッフの励みになりました。
いただいたご意見は今後の参考にさせていただきます。
本当にありがとうございました。
このような機会がありましたら、また遊びに来てくださいね!

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