2020年9月26日 第6回赤ちゃん学コロキウムを開催しました。
赤ちゃん学コロキウムは、人の発達にかかわる様々な研究者を結びつけ、最新の赤ちゃん学の知見を得ていただき、情報共有の場となることを目指し、2016年度から文部科学省認定 共同利用・共同研究拠点の事業の一環として行っています。(※~2018年度までの名称は「定期セミナー」で開催)
今回は、石川光彦先生 (京都大学 文学研究科)、平井真洋先生(名古屋大学 情報学研究科)をお招きし、赤ちゃん学コロキウムがオンライン(zoom中継)で、開催されました。
~講演内容~
赤ちゃんのこころは、如何にして客観的・効果的に測定できるのでしょうか。これまで、視線や表情、指差しなどの行動指標が主な研究法として利用されてきました。本コロキウムでは、より高い空間解像度や時間分解能を具備し、そして行動のトリガーとして考えられる「生理的指標」について考えました。講師の石川先生(京都大学;『生理指標を用いた乳幼児の視線知覚メカニズムの検討』)と平井先生(名古屋大学;『他者の動きの認知発達から探る社会脳の発達』)が、心拍や瞳孔のサイズ、脳波などの指標のアドバンテージや利用可能性について、それぞれの一連の研究をベースにご紹介くださいました。
本当にたくさんのご参加をいただき、ありがとうございました。
次回の赤ちゃん学コロキウムは11月~12月を予定しています。次回のご参加もお待ちいたしております。
第18回赤ちゃん学カフェ『子どもを守る 眠りの力』ご報告
9月12日(土)、16日(水)に第18回赤ちゃん学カフェを開催いたしました。
前回までは京都府木津川市にある同志社大学赤ちゃん学研究センターにお越しいただいてましたが、今回は新型コロナの感染防止に配慮して、zoomを利用した新しい形(録画の放映)での開催となりました。
今回のテーマは『子どもを守る 眠りの力』、子どもにとっての睡眠の役割と重要性について、赤ちゃん学研究センター 副センター長、学研都市病院 小児科部長の渡部基信先生にお話いただきました。子どもの睡眠のメカニズムや役割、また睡眠がどのように成長に影響するのか、今の日本における子どもたちの睡眠の現状と課題、実際のお子さんの睡眠ログ(睡眠の記録)を見ながらの解説、インターネットや携帯電話などの普及が子どもの睡眠に与える影響、子どもたちの良好な睡眠のためにご家族で取り組んでいただく方法など、わかりやすくお話していただきました。
これまでは、どうしても近隣の方のご参加に限られ、部屋の条件から30名ほどの定員とさせていただいておりましたが、今回は日本全国から、のべ113名の方々にご参加いただきました。「気になっていたけど、平日は仕事をしている」「遠方なので伺えない」「なかなかまとまった時間がとれず参加できなかった」という方々から、「オンラインのおかげで今回は参加できてよかったです!」など、うれしいご感想もいただきました。最後には参加者の皆さんもお顔を見せてくださり、一緒に手を振って挨拶をするなどアットホームな中で終えることができました。スタッフ一同、皆様ととても楽しいひとときを共有できたことを、心から感謝しております。
これからも、このようなイベントを工夫しながら開催してまいります。その際に、今回の赤ちゃん学カフェを配信することも検討しています。また、詳細が決まりましたら、ホームページでご案内させていただきますので、時々のぞいていただければ幸いです。
ご参加くださった皆さま、ありがとうございました!
今回ご都合のつかなかった皆さま、次回にお目にかかれますように!
2020年6月27日 第5回赤ちゃん学コロキウムを開催しました。
赤ちゃん学コロキウムは、人の発達にかかわる様々な研究者を結びつけ、最新の赤ちゃん学の知見を得ていただき、情報共有の場となることを目指し、2016年度から文部科学省認定 共同利用・共同研究拠点の事業の一環として行っています。(※~2018年度までの名称は「定期セミナー」で開催)
今回は、佐々木恭志郎 先生 KYOSHIRO SASAKI(関西大学 総合情報学部 准教授)、郷原皓彦 先生 AKIHIKO GOBARA(立命館大 BKC 社系研究機構 ポストドクトラルフェロー)をお招きし、赤ちゃん学コロキウム初のオンライン(zoom中継)で、開催されました。
~講演内容~
知性は単なる抽象的なアルゴリズムとして存在し得なく、物理的な実体、すなわち身体が必要です。これを前提とする身体化認知(Embodiment)という考え方は高次的な認知処理を生物体の感覚・運動経験をもとになされるものとして捉え、世紀を挟んで様々な実証的な知見を示し、認知のメカニズムや機能や、発達、起源について新たな視点を提供してきました。本コロキウムでは、実験心理学の研究分野で多角的な視点からヒトの認知過程について検討されてきた佐々木先生と郷原先生お招きし、それぞれの研究をベースに、身体と感情の関係(講演タイトル『身体化された感情~上れば天国, 落ちれば地獄~』)、および音象徴と認知の関係(講演タイトル『オノマトペによる知覚・認知の変容』)についてご講演のうえ、当日は100名を超える参加者と情報交換を行っていただきました。
本当にたくさんのご参加をいただき、ありがとうございました。
次回の赤ちゃん学コロキウムの予定は未定ではございますが、次回のご参加もお待ちいたしております。
2020年2月6日10時より同志社大学赤ちゃん学研究センターにて赤ちゃん学カフェを開催しました。
今回はよちよち歩きぐらいまでの、かわいいお子さんがたくさん参加してくれて、アットホームな雰囲気の中、「あなたとわたしはともだち?-赤ちゃんにとってのリズム運動とシンクロ」というタイトルで当センターの特別研究員である奥野晶子さんよりお話しをさせていただきました。
シンクロ(同期)は、相手と何かをする時に自分の行動を相手に合わせて調整する必要があり、人とコミュニケーションを取るためには必要なものであります。シンクロは親子のやりとりの中でもアイコンタクトといった行動レベルや、心拍や脳波といった生物学的レベルでも多くみられ、赤ちゃんの成長とともにより複雑なものへと変化していくとのことでした。
お話の中間にシンクロの実践とブレイクを兼ねて、お母さんのお膝に赤ちゃんを抱え、「もしもしかめよ」のリズムに合わせて歌いながら揺らしみんなでシンクロを実感してみました。
最後に奥野さんがセンターで行った視線計測の結果の報告がありました。赤ちゃんは動きのシンクロから第三者同志が“なかま”や“ともだち”と認識できており、“ともだち”や“なかま”が泣いていたら、励ましにいくべきであると思っているのではないかと考えられているとのことでした。
皆さんからは、今まで意識していなかった「シンクロ」について改めて考えるいい機会になったとのご意見をいただきました。
講演中、スタッフは抱っこしたり、一緒に少し遊んだり、お子さんと和やかな時間を過ごすことができました。
当日はとても寒い日でしたが、たくさんの方にお越しいただき、ありがとうございました。