定期セミナーのご案内(第5回)

研究会
  • 開催期間 2016年11月28日 ~ 2016年11月28日

2016年11月28日(月)16:00ー18:00に第五回定期セミナーを開催します。
開催場所は今出川校地良心館RY409を予定しています。

演者は日本総合研究所の池本美香主任研究員と、同志社大学政策学部の川口章教授にお話し頂きます。

子ども・子育て支援施策の課題~海外の動向をふまえて~
池本美香(日本総合研究所 主任研究員)

2015年度より子ども・子育て支援新制度がスタートしたが、海外の動向をふまえれば、いまだ多くの課題が残されている。海外では、①子どもの権利条約をふまえた指針の見直し、②保育の質の評価、③保育・教育施設における親の参画の促進、④保育者をめぐる制度改革、⑤3歳未満児の保育の普遍化、などの動きがあるが、わが国ではいずれも十分な検討が行われていない。子ども・子育て支援施策については、保育所の待機児童解消といった対症療法ではなく、より総合的・戦略的な検討が求められ、特に子どもの権利と公的投資の正当性の観点から、施策を見直す必要がある。

マタニティー・ハラスメント:被害者はだれか、必要な対策は何か
川口章(同志社大学 政策学部 教授)

マタニティー・ハラスメント(マタハラ)とは、妊娠や出産をした女性が職場において差別を受けたり、法的に保障されている権利の行使が雇用主によって認められないことである。残業を強制される、解雇される、心ない言葉をかけられるなどがそれにあたる。在職中に妊娠を経験した3000人の女性に対する調査の結果、以下のことが明らかになった。1)マタハラの種類はたくさんあり、その種類によって被害者の属性は異なる。2)ほとんどの種類のマタハラに共通しているのは、正社員のほうが非正規社員より被害に遭いやすいこと、忙しい職場で被害が発生しやすいこと、従業員の職務範囲が不明確な職場で被害が発生しやすいことである。


同志社大学赤ちゃん学研究センターは、今まで様々な研究領域で行われてきたものを融合させ、ヒトの起点である胎児期から乳児期にかけての行動、認知、身体の発達に関する基礎的な原理を明らかにすることによって「ヒト」から「人」へとかわる発達のメカニズムを解明することを目的として設立されました。
2016年度から文部科学省により共同利用・共同研究拠点として認可され、その事業の一つとして定期的にセミナーを開催することにいたしました。このセミナーは、①人の発達にかかわる様々な研究者を結びつけ、②子育てをする養育者の方々、保育・幼稚園の関係者、看護・療育の関係者などに最新の赤ちゃん学の知見を得ていただき現場で利活用いただくことを目指しています。上記関係者の他、ご興味をお持ちの方を含め、多くの方のご参加をお待ちしています。

定期セミナーのご案内(第4回)

研究会
  • 開催期間 2016年10月13日 ~ 2016年10月13日

2016年10月13日(木)16:00ー18:00に第四回定期セミナーを開催します。
開催場所は同志社大学学研都市キャンパス快風館となります。アクセス方法は本ウェブサイトの赤ちゃん学研究センタへのアクセスをご覧下さい。

演者は大阪大学工学研究科の石原尚助教と、同志社生命医科学部の森田有亮教授にお話し頂きます。

親密な触れ合いの実現と理解に向けた子供型アンドロイドロボットの開発
石原 尚(大阪大学大学院 工学研究科 助教)

人とコミュニケーションを行うロボットが当たり前のように存在する社会はもはや現実であり,人と親密に触れ合うためのロボット身体の進化の必要性が高まっている.旧来行われていた,物体操作を主目標とした身体設計ではなく,人との親密な触れ合いを主目標とした設計が重要であり,親密に触れ合える身体とはどのようなものか,またそれらはどのように実現できるか,そして人にどのような影響を与えるか,を明らかにする一連の研究が求められている.現在開発中である,人の子供を模したアンドロイドロボットの概要を紹介し,そのロボットに対して,人がどのように感じ,反応したかを調べた研究について紹介する.

電気インピーダンス法による生体組織の特性評価~赤ちゃんの運動計測を目指して~
森田 有亮(同志社大学 生命医科学部 医工学科 教授)

骨や軟骨などの運動を担う組織の評価には,それらの組織の機能を力学的に測定することが必要と考えられる.例えば,生体外で培養した組織について,成熟に伴い生体組織と同等な役割を果たせるかを考えることは重要となる.力学機能を評価するには物理的な外力の負荷が避けられず,生体組織へのダメージが危惧される.生体組織の成熟や変性において,細胞外基質成分や水分状態の変化が力学特性や電気特性に影響する.このように,基質成分の定量評価により力学機能を議論できる可能性があり,電気インピーダンス法により電気特性を測定することで,生体組織の細胞外基質と力学特性の変化を低侵襲かつ定量的に評価する試みについて紹介する.


同志社大学赤ちゃん学研究センターは、今まで様々な研究領域で行われてきたものを融合させ、ヒトの起点である胎児期から乳児期にかけての行動、認知、身体の発達に関する基礎的な原理を明らかにすることによって「ヒト」から「人」へとかわる発達のメカニズムを解明することを目的として設立されました。
2016年度から文部科学省により共同利用・共同研究拠点として認可され、その事業の一つとして定期的にセミナーを開催することにいたしました。このセミナーは、①人の発達にかかわる様々な研究者を結びつけ、②子育てをする養育者の方々、保育・幼稚園の関係者、看護・療育の関係者などに最新の赤ちゃん学の知見を得ていただき現場で利活用いただくことを目指しています。上記関係者の他、ご興味をお持ちの方を含め、多くの方のご参加をお待ちしています。

定期セミナーのご案内(第3回)

研究会
  • 開催期間 2016年9月5日 ~ 2016年9月5日

2016年9月5日(月)16:00ー18:00に第三回定期セミナーを開催します。
開催場所は同志社大学学研都市キャンパス快風館となります。アクセス方法は本ウェブサイトの赤ちゃん学研究センタへのアクセスをご覧下さい。

出生前診断・人工妊娠中絶を考える(ヒトの進化の観点から)
小西郁生(京都大学名誉教授、京都医療センター院長)

古くから、人工妊娠中絶を禁止した国や地域では女性の死亡率が著しく増加すること
から、”安全な人工妊娠中絶”はWHOやFIGO(世界産婦人科連合)の女性ヘルスケアの
最重要課題の一つである。この地球上では約500万年前にサルが二本足で立ち上がっ
たことによりヒトに進化したが、それに伴う身体の様々の変化のなかで女性の発情期
消失というイベントが生じ、ヒトはいつでもセックスできる存在となった。進化にお
けるこの重要なイベントは男女の深い愛情をもたらすと同時に、予期せぬ多数の妊娠
を生み出してきたのである。すなわち、人工妊娠中絶はヒトの存在と表裏一体であ
り、産婦人科医はこれを安全に遂行する義務を負っている。
医学の進歩はあまりにもドラステイックで、妊娠初期の採血だけで胎児の染色体異常
を高い確率で予測できる時代となり、ダウン症の子どもたちやご家族はとても注目さ
れている。一方、ヒトのゲノム解析が進むと誰もが”正常”とはいえない遺伝子をもっ
ていることもわかり、ダウン症も一つの個性であることが常識となってきた感があ
る。私が班長を務める厚労科研「出生前診断における遺伝カウンセリングの実施体制
及び支援体制のあり方に関する研究」の進捗状況を紹介したい。

胎児の人権、出生前診断
小原克博(同志社大学 神学部教授・良心学研究センター長)

胎児の人権をめぐる倫理的議論は「パーソン論」として展開されてきた。それは人間としての尊厳を与えられる境界線をめぐる議論であるが、医療倫理(生命倫理)だけでなく、法制度や宗教的な価値観とも密接に関係しながら論じられてきた。胎児の人権をめぐる具体的な事例として、米国においては中絶論争をとりあげ、その争点と共に、それがいかに大きな社会的関心事となってきたかを示したい。
また、胎児の人権や中絶問題に関係する別の課題として出生前診断、とりわけ、比較的近年あらわれてきた診断方法における倫理的課題をとりあげる。胎児超音波検査によるNT (nuchal translucency)の計測、新型出生前診断(無侵襲的出生前遺伝学的検査、NIPT)を議論の対象としたい。いずれも患者(妊婦および家族)の「知る権利」を拡大するという意味において「自己決定権」を強化している。生殖補助医療の技術的発展と患者の自己決定権の拡大の相乗効果がもたらす未来についても展望したい。


同志社大学赤ちゃん学研究センターは、今まで様々な研究領域で行われてきたものを融合させ、ヒトの起点である胎児期から乳児期にかけての行動、認知、身体の発達に関する基礎的な原理を明らかにすることによって「ヒト」から「人」へとかわる発達のメカニズムを解明することを目的として設立されました。
2016年度から文部科学省により共同利用・共同研究拠点として認可され、その事業の一つとして定期的にセミナーを開催することにいたしました。このセミナーは、①人の発達にかかわる様々な研究者を結びつけ、②子育てをする養育者の方々、保育・幼稚園の関係者、看護・療育の関係者などに最新の赤ちゃん学の知見を得ていただき現場で利活用いただくことを目指しています。上記関係者の他、ご興味をお持ちの方を含め、多くの方のご参加をお待ちしています。

定期セミナーのご案内(第2回)

研究会
  • 開催期間 2016年7月20日 ~ 2016年7月20日

2016年7⽉20⽇(⽊)16:00ー18:00に第二回定期セミナーを開催します。
開催場所は同志社大学学研都市キャンパス快風館となります。アクセス方法は本ウェブサイトの赤ちゃん学研究センタへのアクセスをご覧下さい。

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TITLE: Infant learning from multi-sensory sources: a blessing or curse?
Chia-huei Tseng (The University of Hong Kong)

Abstract
One of the most fascinating abilities in human beings is our ability to learn from examples, and then generalize the principle to new contexts. This ability is seemingly ready at early infancy, although its limitation, development, and the exact mechanism are still poorly understood.
In this seminar, I will center around these questions: for infants, is multi-sensory learning always better? How is the high-level learning generality modulated by low-level perceptual information? I will also discuss our results and their implications in our understanding of infants’ language acquisition and abstract concept formation.

 

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TITLE: The structure of object recognition from shape processing: the
comparison of perceptual decisions between detection and
categorization
Kohsuke Taniguchi(Research Center for Psychological Science, Doshisha University)

Abstract
Object recognition is involved in perceptual decisions: detection and
categorization at various levels. According to traditional theory,
object recognition involves hierarchal structure: first, detection can
be decided, and then categorization is processed. However,
Grill-Spector and Kanwisher (2005) suggested that the processing of
basic-level categorization is almost the same as in that of detection
and subordinate-level categorization needs further processing. This
suggestion shows that the structure of object recognition remains open
question. In the current research, focusing on the shape information
in object, we investigate relationships between perceptual decisions:
detection, basic-level categorization and superordinate-level
categorization, to specify the structure of object recognition. In
study 1, the correlations between the perceptual decisions and shape
features of line-drawing objects, such as the number of edge, degree
of circularity, curvature singularities and subjective estimation,
were investigated. In study 2, the difference of temporal dynamics in
reaction time was compared between perceptual decisions. These study
showed that each perceptual decision involves different processing.
Therefore, we suggest the original model involving clustering
structure. The processing of object recognition applies to cluster of
perceptual decisions involving the component of process, such as shape
information, concept of objects and so on. We consider that this model
can explain the processing of object recognition more comprehensively
and specifically than previous models.


同志社大学赤ちゃん学研究センターは、今まで様々な研究領域で行われてきたものを融合させ、ヒトの起点である胎児期から乳児期にかけての行動、認知、身体の発達に関する基礎的な原理を明らかにすることによって「ヒト」から「人」へとかわる発達のメカニズムを解明することを目的として設立されました。
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