定期セミナーのご案内(第9回)

研究会
  • 開催期間 2017年9月21日 ~ 2017年9月21日

2017年9月21日(木)16:00-18:00に第9回定期セミナーを開催します。
開催場所は学研都市キャンパス快風館です。
なお、事前予約は必要なく、参加費も無料です。

演者は愛知医科大学医学部衛生学講座の鈴木孝太教授と、同志社大学赤ちゃん学研究センターの川西康之助教にお話しいただきます。

胎児期の環境と児の発育~DOHaD説に関連する疫学的検討~
鈴木孝太(愛知医科大学医学部生成学講座 教授)

近年、胎児期や出生後早期の栄養状態が、生まれてきた子どものその後の健康状態に影響するという、Developmental Origins of Health and Disease(DOHaD)説が知られるようになり、この考え方に基づいて様々な研究が進められている。今回は、環境省が実施している子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)や、地域における妊娠届出時に始まる地域のデータを用いたコホート研究から得られた、妊娠中の喫煙が胎児期、また出生後の健康状態、特に体格に与える影響や、人口動態統計(出生票)のデータから検討した、東日本大震災が性比や周産期予後に与えた影響など、DOHaD説と関連する、疫学研究の成果について紹介する。

妊娠中の「感染・炎症」「精神的ストレス」と、自閉症スペクトラム
川西康之(同志社大学 赤ちゃん学研究センター 特任助教)

自閉症スペクトラム(ASD)には、様々なリスク要因に関する報告を認める。妊娠中の感染・炎症やストレスによって、発達障害様の症状を呈することが種々の動物実験から示唆されているが、ヒトにおける因果関係についてはさまざまな報告を認める。今回は、妊娠中の「感染・炎症」「精神的ストレス」を曝露要因とした、大規模ヒト疫学研究から5つの論文について検討を行い、これらの因果関係について考察する。


同志社大学赤ちゃん学研究センターは、今まで様々な研究領域で行われてきたものを融合させ、ヒトの起点である胎児期から乳児期にかけての行動、認知、身体の発達に関する基礎的な原理を明らかにすることによって「ヒト」から「人」へとかわる発達のメカニズムを解明することを目的として設立されました。
2016年度から文部科学省により共同利用・共同研究拠点として認可され、その事業の一つとして定期的にセミナーを開催することにいたしました。このセミナーは、①人の発達にかかわる様々な研究者を結びつけ、②子育てをする養育者の方々、保育・幼稚園の関係者、看護・療育の関係者などに最新の赤ちゃん学の知見を得ていただき現場で利活用いただくことを目指しています。上記関係者の他、ご興味をお持ちの方を含め、多くの方のご参加をお待ちしています。

定期セミナーのご案内(第8回)

研究会
  • 開催期間 2017年2月20日 ~ 2017年2月20日

2017年2月20日(月)18:00ー20:00に第八回定期セミナーを開催します。
開催場所は学研都市キャンパス快風館を予定しています。
なお、事前予約は必要なく、参加費も無料です。

演者は京都府立南山城支援学校の西山剛司教諭と、同志社大学赤ちゃん学研究センターの小西行郎センター長にお話し頂きます。

全一的な子どもの理解と包括的な支援・指導ー特別支援学校教員として子どもたちから学んだことー
西山 剛司(京都府立南山城支援学校 教諭)

 特別支援学校教員として18年間子どもたちと関わる中で学んだことをお話ししたい。それは、特段変わったことではない。子どもを独立した人格を持つ人間として全一的に理解すること。子どもは自ら環境と関わる中で発達していくということ。従って、周りの大人たちも含む環境それ自体が変わっていくことが発達支援の大きな柱であること。また、子ども自らが環境を認知し活用できるように支援すること。それらを前提として、環境を教育目標に沿って組織化すること。それらは、SCERTSモデル*の枠組みの学習と議論の中で次第に整理され、体系だって私に意識されるようになってきた。途上ではあるが、中間報告的にお話をさせていただく。
*SCERTSモデル 自閉症のある児童のための、発達論に基づく学際的・包括的な教育・支援の枠組み。SCは社会コミュニケーション、ERは情動調整、TSは交流型支援を示す。

自閉症スペクトラム障害児を理解する
小西 行郎(同志社大学 赤ちゃん学研究センター センター長)

 急激に増え続ける発達障害、とりわけ自閉症スペクトラム障害(ASD)の子どもたちに対して、医療や教育の場において様々な取り組みが行われている。しかし、その多くが能力を評価し、指導するといったもので、ASDの原因を求めることやASD児の困りごとを理解しようとする見方を欠いているばかりでなく、周囲の人にとって邪魔にならない子にするためにどうしたらいいかを中心に考えられたものが多いように見受ける。だが認知にせよ知覚にせよ、定型発達といわれる子どもたちとは異なる世界に住んでいる子どもたちにとっては、まず自分たちの住んでいる世界を理解してもらうことが重要であり、けっして周囲に適応するように教育されることを求めているわけではない。彼らの困りごとを理解し、2次障害をきたすことなく成長・発達していけるようにするため、我々は何ができるのかについて討論したい。


同志社大学赤ちゃん学研究センターは、今まで様々な研究領域で行われてきたものを融合させ、ヒトの起点である胎児期から乳児期にかけての行動、認知、身体の発達に関する基礎的な原理を明らかにすることによって「ヒト」から「人」へとかわる発達のメカニズムを解明することを目的として設立されました。
2016年度から文部科学省により共同利用・共同研究拠点として認可され、その事業の一つとして定期的にセミナーを開催することにいたしました。このセミナーは、①人の発達にかかわる様々な研究者を結びつけ、②子育てをする養育者の方々、保育・幼稚園の関係者、看護・療育の関係者などに最新の赤ちゃん学の知見を得ていただき現場で利活用いただくことを目指しています。上記関係者の他、ご興味をお持ちの方を含め、多くの方のご参加をお待ちしています。

定期セミナーのご案内(第7回)

研究会
  • 開催期間 2017年1月23日 ~ 2017年1月23日

2017年1月23日(月)16:00ー18:00に第七回定期セミナーを開催します。
開催場所は学研都市キャンパス快風館を予定しています。

演者は北陸大学未来創造学部の木谷俊介助教と、同志社大学赤ちゃん学研究センターの志村洋子嘱託研究員(埼玉大学名誉教授)にお話し頂きます。

騒音が聴覚の発達に与えうる影響
木谷 俊介(北陸大学 未来創造学部 助教)

 乳幼児の心身と同様に、感覚器官である聴覚もまた発達途上である。発達途上の段階をどのような環境で過ごすかは乳幼児の心身の成長に重要であることは認識されているが、聴覚においてはほとんど認識されていないようである。乳幼児を取り巻く音環境とその発達への影響については未解明なことがほとんどである。本講演では、乳幼児の聴覚に関して分かっていないことを理解するとともに、乳幼児を取り巻く音環境が乳幼児の聴覚の発達にどのような影響があるのか(もしくは影響がないのか)を考察したい。

乳幼児の音声と保育環境の「騒音」
志村 洋子(同志社大学 赤ちゃん学研究センター 嘱託研究員/埼玉大学名誉教授)

保育園のうるささに端を発した保育所建設反対運動は、園周辺に「防音壁」を建設するという「交通騒音」なみの対応になり、建設予算額も高額に確保されているという。一方、各自治体では、待機児童解消に向け多くの保育所建設用地を探しており、身近なところでいつ、こうした運動が起こらないともいえない現状がある。反対を表明する人たちは、「子どもの声が一日中聞こえてくるのはストレス」であるとして、「うるさい」ことを主な理由に挙げている。では、「子どもの声」がどの程度の音量として近隣に伝搬しているのだろうか。また、なぜ「子どもの声」が反対の中心になるのかは不明である。保育室空間内で保育活動が生み出している「音量」と、実際の音の伝搬がどのようなものか報告する。


同志社大学赤ちゃん学研究センターは、今まで様々な研究領域で行われてきたものを融合させ、ヒトの起点である胎児期から乳児期にかけての行動、認知、身体の発達に関する基礎的な原理を明らかにすることによって「ヒト」から「人」へとかわる発達のメカニズムを解明することを目的として設立されました。
2016年度から文部科学省により共同利用・共同研究拠点として認可され、その事業の一つとして定期的にセミナーを開催することにいたしました。このセミナーは、①人の発達にかかわる様々な研究者を結びつけ、②子育てをする養育者の方々、保育・幼稚園の関係者、看護・療育の関係者などに最新の赤ちゃん学の知見を得ていただき現場で利活用いただくことを目指しています。上記関係者の他、ご興味をお持ちの方を含め、多くの方のご参加をお待ちしています。

定期セミナーのご案内(第6回)

研究会
  • 開催期間 2016年12月7日 ~ 2016年12月7日

2016年12月7日(水)16:00ー18:00に第六回定期セミナーを開催します。
開催場所は学研都市キャンパス快風館を予定しています。

演者は京都大学大学院医学研究科の金谷久美子研究員と、同志社大学赤ちゃん学研究センターの川西康之助教にお話し頂きます。

黄砂・PM2.5のアレルギーへの影響〜エコチル追加調査『黄砂と子どもの健康調査』より〜
金谷久美子(京都大学大学院医学研究科 研究員)

 子どものアレルギーが増えている。増加の主なところはアレルギー性鼻炎や喘息、つまり吸入系のアレルギーであり、大気の関与も疑われている。動物実験では、大気中の粒子状物質にはアレルギー反応を増強するアジュバントのような作用があることが示されている。
 「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」は、約10万組の親子を対象とした出生コホート調査で、近年の環境の変化・生活様式や食生活の変化など、現代に特有な何らかの刺激が子どもの健康や発達に関与している可能性を探るものである。我々は、このエコチル調査の追加調査として、黄砂等の大気汚染物質が乳幼児のアレルギーに与える影響を調査中である。当日は、その中間結果(未固定データ)を中心に、黄砂やPM2.5の子どものアレルギーへの影響について紹介したい。

子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)〜北海道ユニットセンターの歩みと、独自追加調査について〜
川西康之(同志社大学 赤ちゃん学研究センター 助教/旭川医科大学健康科学講座 客員助教)

環境省「子どもの健康と環境に関する全国調査」は、環境化学物質による子どもの健康への影響を明らかにすることを主な目的とした、出生コホート研究である。調査は全国15箇所のユニットセンター(UC)で実施され、約10万組の親子が参加している。北海道UCはその一つであり、札幌市、旭川市、北見市とその周辺4町を調査対象地域として、2011年より約3年間リクルートが行われ、8362名の妊婦から参加を得た。今回本研究における北海道UCの調査参加者の獲得に向けて、実際に行われた取り組みおよび、北海道UCにおいて追加で行われている調査(マタニティヨガに関する研究、スキンシップに関する研究)の概要について説明する。


同志社大学赤ちゃん学研究センターは、今まで様々な研究領域で行われてきたものを融合させ、ヒトの起点である胎児期から乳児期にかけての行動、認知、身体の発達に関する基礎的な原理を明らかにすることによって「ヒト」から「人」へとかわる発達のメカニズムを解明することを目的として設立されました。
2016年度から文部科学省により共同利用・共同研究拠点として認可され、その事業の一つとして定期的にセミナーを開催することにいたしました。このセミナーは、①人の発達にかかわる様々な研究者を結びつけ、②子育てをする養育者の方々、保育・幼稚園の関係者、看護・療育の関係者などに最新の赤ちゃん学の知見を得ていただき現場で利活用いただくことを目指しています。上記関係者の他、ご興味をお持ちの方を含め、多くの方のご参加をお待ちしています。

赤ちゃん学研究センターとは
赤ちゃん研究員募集
研究紹介
講演会・講習会イベント
スタッフ紹介
年報
メディア
赤ちゃん学研究センターとは
赤ちゃん研究員募集
研究紹介
講演会・講習会イベント
スタッフ紹介
年報
メディア


ページ
上部へ