【第5回赤ちゃん学コロキウム】をオンラインで初めて開催します。
◆【テーマ】「体から心へ」〜身体化認知の最先端〜
◆【日時】2020年6月27日(土)13:00-15:00
◆【参加方法】Zoom参加(ネット環境にあるPCもしくはスマホが必要)
→ seminar[at]akachan.doshisha.ac.jp ([at]を@マークへ変更してください)
に「氏名・所属」をご送信いただければ、6月22日よりお申し込み順で随時参加方法についての詳細をお知らせします。
◆【申込締切】6月24日(水)
※HPでの告知が遅くなり申し訳ありませんでした。ご参加希望の方は開催日までにご相談ください。
◆【概要】我々の思考は、身体と環境の相互作用から大きく影響を受ける。すなわち、どのように考えるかは、どのような身体状態を持つかによって変わるのである。このアイデアによる「身体化認知(Embodiment cognition)」研究は、世紀を挟んで様々な実証的な知見を示し、ヒトの認知のメカニズムや機能、起源について新たな視点を提供してきた。本コロキウムでは、2名の先生方をお招きし、それぞれの実験的研究をベースに、感情が認知にもたらす影響、そして音象徴が認知にもたらす影響について議論する。
詳しくは講演会・講習会・イベントのページをご覧下さい。
2月15日に、同志社大学 学研都市キャンパス 快風館にて、第4回赤ちゃん学コロキウム「男性の育児休業取得を巡る心理学-“働くべきか育休[やす]むべきか,それが問題だ”-」を開催します。
参加無料・事前申込不要です。
詳しくは講演会・講習会・イベントのページをご覧下さい。
12月21日に、同志社大学 学研都市キャンパス 快風館にて、第3回赤ちゃん学コロキウム「子どもは世界をどう信じているのか?~乳幼児の科学的信念と宗教性・道徳性の発達~」を開催します。
参加無料・事前申込不要です。
詳しくは講演会・講習会・イベントのページをご覧下さい。
当センター所属 特定任用研究員の孟 憲巍 助教の研究が「Proceedings of the Royal Society B: Biological Sciences(英国王立協会紀要)」に掲載されました。
【論文タイトル】
Space and rank: Infants expect agents in higher position to be socially dominant.
(空間と序列:乳児が高い場所に立つ者に社会的優位性を帰属する)
【著者】孟憲巍・中分遥・新田博司・橋彌和秀・森口佑介
【掲載誌】Proceedings of the Royal Society B: Biological Sciences
【DOI】10.1098/rspb.2019.1674
【研究プロジェクト従事者】
孟 憲巍(もう けんい)同志社大学特定任用研究員・助教
森口佑介(もりぐち ゆうすけ)京都大学大学院教育学研究科・准教授
橋彌和秀(はしや かずひで)九州大学大学院人間環境学研究院・准教授
「目上の人・目下の人」(英語では例えば high-status person, low-status person)という表現やオリンピック・パラリンピック競技大会などで表彰台の高いところには勝者が立つなどというように、私たちはしばしば社会的な優位性や地位(上下関係)を空間位置で表現します。しかし、このような優位性関係と空間的位置の結びつきはいつ、どのように獲得されるのでしょうか?例えば、言語学習や社会的な経験の過程で獲得されるものなのでしょうか?
当センター所属の特定任用研究員 孟 憲巍 助教は、生後12―16ヶ月児を対象として、優位性関係と空間的位置の結びつきが見られるかどうかについて、赤ちゃんが、空間的に上にいる個体が、下にいる個体より優位であることを期待(予測)するか、実験を行いました。実験では、二つのキャラクターが同時に画面上の高いと低い場所に出現する場面を繰り返して提示したあと、キャラクターらがひとつの魅力的なものを取り合い、結果的にはどちらか一方がそのものを手にいれる動画を乳児に見てもらい、その反応を計測し解析しました。
結果、まだ言葉の話せない1歳の赤ちゃんが、高い場所に立つ者が低い場所に立つ者に負ける場面を見ると驚くような行動を示す実験結果から、乳児が空間的に上にいる者が社会的に優位であることを期待する可能性を示しました。このことは、優位性関係と空間的位置の結びつきが発達(人生)の初期に見られることと、特定の語彙や社会的経験に依存しない可能性を示唆します。
この研究結果は、孟氏が京都大学大学院教育学研究科に在籍していた時より、森口佑介京都大学大学院教育学研究科准教授、橋彌和秀九州大学大学院人間環境学府准教授らのグループと取り組んでいた研究の成果であり、2019年10月に発行された国際学術誌「Proceedings of the Royal Society B: Biological Sciences」においてオンライン掲載されました。