2016年10月13日(木)16:00ー18:00に第四回定期セミナーを開催します。
開催場所は同志社大学学研都市キャンパス快風館となります。アクセス方法は本ウェブサイトの赤ちゃん学研究センタへのアクセスをご覧下さい。
演者は大阪大学工学研究科の石原尚助教と、同志社生命医科学部の森田有亮教授にお話し頂きます。
親密な触れ合いの実現と理解に向けた子供型アンドロイドロボットの開発
石原 尚(大阪大学大学院 工学研究科 助教)
人とコミュニケーションを行うロボットが当たり前のように存在する社会はもはや現実であり,人と親密に触れ合うためのロボット身体の進化の必要性が高まっている.旧来行われていた,物体操作を主目標とした身体設計ではなく,人との親密な触れ合いを主目標とした設計が重要であり,親密に触れ合える身体とはどのようなものか,またそれらはどのように実現できるか,そして人にどのような影響を与えるか,を明らかにする一連の研究が求められている.現在開発中である,人の子供を模したアンドロイドロボットの概要を紹介し,そのロボットに対して,人がどのように感じ,反応したかを調べた研究について紹介する.
電気インピーダンス法による生体組織の特性評価~赤ちゃんの運動計測を目指して~
森田 有亮(同志社大学 生命医科学部 医工学科 教授)
骨や軟骨などの運動を担う組織の評価には,それらの組織の機能を力学的に測定することが必要と考えられる.例えば,生体外で培養した組織について,成熟に伴い生体組織と同等な役割を果たせるかを考えることは重要となる.力学機能を評価するには物理的な外力の負荷が避けられず,生体組織へのダメージが危惧される.生体組織の成熟や変性において,細胞外基質成分や水分状態の変化が力学特性や電気特性に影響する.このように,基質成分の定量評価により力学機能を議論できる可能性があり,電気インピーダンス法により電気特性を測定することで,生体組織の細胞外基質と力学特性の変化を低侵襲かつ定量的に評価する試みについて紹介する.
同志社大学赤ちゃん学研究センターは、今まで様々な研究領域で行われてきたものを融合させ、ヒトの起点である胎児期から乳児期にかけての行動、認知、身体の発達に関する基礎的な原理を明らかにすることによって「ヒト」から「人」へとかわる発達のメカニズムを解明することを目的として設立されました。
2016年度から文部科学省により共同利用・共同研究拠点として認可され、その事業の一つとして定期的にセミナーを開催することにいたしました。このセミナーは、①人の発達にかかわる様々な研究者を結びつけ、②子育てをする養育者の方々、保育・幼稚園の関係者、看護・療育の関係者などに最新の赤ちゃん学の知見を得ていただき現場で利活用いただくことを目指しています。上記関係者の他、ご興味をお持ちの方を含め、多くの方のご参加をお待ちしています。