この度、当センターの日本学術振興会特別研究員の石川光彦さんと板倉センター長の共著論文がSocial Neuroscience誌に掲載されました。
【タイトル】
Social reward anticipation in infants as revealed by event-related potentials
【著者】
Mitsuhiko Ishikawa, Shoji Itakura
【掲載誌】
Social Neuroscience
論文はこちらからご覧ください。
【概要】
この研究では、生後6~10か月の赤ちゃんが他者と同じ物体に視線を向ける共有注意場面に対して、報酬を期待しているのか脳波計測によって検討しました。赤ちゃんは物体に対して視線を向ける人物と、物体の反対方向に視線を向ける人物を繰り返し観察し、その際の脳波を解析しました。その結果、共有注意が生じる直前に、報酬期待を反映する脳波成分である刺激先行陰性電位(SPN)が上昇していました。また、物体に対して視線を向ける人物に対して、顔認知に関わる脳波成分であるN290の上昇がみられました。この結果から、共有注意は赤ちゃんにとって報酬的であり、共有注意の経験は顔認知にも影響することがわかりました。