2018年6月19日(火)15:00-17:00に第11回定期セミナーを開催します。
開催場所は学研都市キャンパス快風館です。
なお、事前予約は必要なく、参加費も無料です。
今回は、平林今日子先生(京都大学 医学研究科 特定助教)、加藤承彦先生(国立成育医療研究センター 社会医学研究部 行動科学研究室 室長)をお招きし、フロアの皆さんと一緒に考えてみたいと思います。ふるってご参加ください。
カザフスタン・セミパラチンスク核実験場近郊に住む子どもたち
平林今日子先生(京都大学 医学研究科 特定助教)
カザフスタン共和国・セミパラチンスクは、旧ソ連最大の核実験場が存在することで知られる。日本の四国と同等の広さをもつこの実験場では、1949年より1989年までの40年間にわたり400回以上の核実験が行われ、数十万人が被害を受けたとされる。
本報告では、セミパラチンスク核実験場周辺住民が受けた被害の概要を紹介するとともに、実験終了後に生まれた現代に生きる子どもたち(とその保護者)へのインタビューの結果を示し、「核の負の遺産」がどのような影響を与えているかについて検討する。
社会疫学の観点から見た乳幼児期の子どもの健康と発達
~大規模縦断調査の分析からわかること~
加藤承彦先生(国立成育医療研究センター 社会医学研究部 行動科学研究室 室長)
社会疫学は、学歴や経済状況などの社会的要因が人の健康にどのような影響を及ぼすのかを分析する学問分野で、近年、日本でも社会格差の拡大から 徐々に注目を浴びるようになってきている。しかし、乳幼児期の子どもの健康と発達に注目した社会疫学研究はあまり盛んであるとは言えない。今回は、私の研究成果を基に、厚生労働省の21世紀出生児縦断調査などの大規模縦断調査の分析からどのような知見が得られたのかを紹介し、今後、どのような課題に注目していくべきなのかを議論する。