孟憲巍先生の論文がScientific Reportsに掲載されました

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孟憲巍先生の論文がScientific Reportsに掲載されました

       
  • 投稿日:2021年05月28日

この度、孟憲巍先生(元赤ちゃん学研究センター、現在は大阪大学)の論文がCognitive Processingに掲載されました。

【タイトル】Preverbal infants expect agents exhibiting counterintuitive capacities to gain access to contested resources
  邦題: 赤ちゃんは「直感に反する」能力を示す者が優位であることを期待する

【著者】孟憲巍・中分遥・橋彌和秀・Emily Burdett・Jonathan Jong・Harvey Whitehouse

【掲載誌】cientific Reports; https://doi.org/10.1038/s41598-021-89821-0

  論文はこちらからご覧ください。

【概要】集団において「超自然的な力を持つ」とみなされる者が宗教的な権威を得る傾向は、人類の社会において広く指摘され、人類学・社会学・宗教学等様々な分野で議論されてきました。しかし、こういった傾向をもたらす個々人の心理的基盤がどのようなもので、それがいかにして成立するかという発達的な起源に関しては、実証的な検討が十分にはなされていませんでした。本研究では、生後12-16カ月の乳児を対象に、「超自然的」能力(空中浮遊・瞬間移動)を持つ/持たないキャラクターをそれぞれ繰り返し見せた上で、両者同士が競合し、どちらか一方が資源を勝ち取る結末をモニター上に提示しました。その結果、乳児は「超自然的」な能力を持つキャラクターが勝負に「負ける」結末を(その逆と比べて)より長く注視することがあきらかになりました。このことは、乳児が「超自然的な能力を持つキャラクターが勝負に勝つ」ことを期待し、その期待が裏切られた結果であると解釈することができます。「反直観的で超自然的な能力を示す者は社会的優位性が高い」と期待する「判断バイアス」をヒトが発達の初期から備えていることは、人類史上多くの宗教的集団において超自然的な力を持つとされる存在が権威を持ってきたことや、現代社会においてもこの結び付きが根強く見られることの人間の心理的基盤を理解するうえで役立つことが期待されます。

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