この度、大阪大学の孟先生と板倉センター長の共著論文がFrontiers in Psychology誌に掲載されました。
【タイトル】A cross-cultural investigation of people’s intuitive beliefs about the origins of cognition
邦題:認知能力の獲得に関する我々の認識 ー文化比較の視点からー
【著者】孟憲巍・Jinjing Jenny Wang・石黒浩・吉川雄一郎・板倉昭二
【掲載誌】Frontiers in Psychology
論文はこちらからご覧ください。
【概要】
本研究では、日米の大人を対象に、色の識別などの子どもの認知能力の出現時期とその理由についての調査をおこないました。その結果、いずれの文化でも、大人は実際の出現時期(これまでの研究で示された出現時期)よりも遅く出現すると推定していること、そしてそれらの認知能力が学習の結果であると考えていることを世界で初めて明らかにしました。「氏か育ちか」の議論は古くからなされていますが、現代社会では大人は「育ち」の部分を実際の発達よりも評価しており、大人が思う子どもの姿と科学的研究で示された子どもの姿にズレがあることが本研究によって明らかになりました。このようなズレを意識することは、科学的な子ども観に基づいた研究や子育て、学校教育などに参加するうえで役立つことが期待されます。