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著者: 加藤 正晴

加藤 正晴 プロフィールへ

漫勉

  • 投稿日: 2017年05月23日 著者: 加藤 正晴

NHKで不定期連載的に「漫勉」という番組を放送しています。

日本で活躍している漫画家さんの仕事場に定点カメラを置き、3日ほど記録したものを、撮影された本人と浦沢直樹が見ながら語り合うという番組。
浦沢直樹は皆さんご存じ、20世紀少年、BILLY BAT、PLUTOなどヒット作を連発して手塚治虫文化賞大賞を二度も受賞した日本の至宝ですよね(旧装丁のMASTERキートン全巻持っています)。映るのは二人のやりとり、そしてターゲットとなった漫画家さんの筆先と原稿。たまにワイドに映した映像もあるけれどもそれでも背景は漫画家さんの仕事場。関係資料や雑誌に囲まれたごみごみした様子が見えるだけ。なんとも地味な番組です。
でも、漫画好きにはたまらない。真っ白な誌面に下絵が描き込まれ、ペン入れがされ、スクリーントーンが張られたり、墨で塗られたりして生原稿ができていく様には目を吸い付けられます。

今までに出演した漫画家さん(と代表作?)は以下の通り
浅野いにお  『おやすみぷんぷん
さいとうたかを 『ゴルゴ13
東山アキコ   『東京タラレバ娘
藤田和日郎   『うしおととら
萩尾望都   『イグアナの娘』『ポーの一族
花沢健吾   『アイアムアヒーロー
五十嵐大介   『海獣の子供
古屋兎丸   『帝一の國
池上遼一   『サンクチュアリ
三宅乱丈   『ぶっせん』『イムリ
高橋ツトム  『スカイハイ
浦沢直樹   『20世紀少年
かわぐちかいじ 『沈黙の艦隊
山下和美   『天才柳沢教授の生活
清水玲子   『秘密 -トップ・シークレット-
伊藤潤二   『うずまき
山本直樹   『レッド
ながやす巧  『壬生義士伝

僕がこの番組に気づいたのは今年からだから、山下和美さんから。もっと前から気づいていればよかった!!!
これをみてつくづく漫画家の先生たちは凄いなぁと尊敬の念を新たにしました。
もうあれだけ上手い絵を描いているのに、「もっと上手くなりたい」という一心で書いているっていうんです。下絵だって、まず表に一回、裏返してデッサンの狂いを確認してなぞりながら2回目、表に返して消しゴムをかけて、裏側のを見ながら修正。これで終わりじゃなくて、もう一度裏返して狂いを修正したら、表に戻って、、繰り返すこと7回!別の漫画家の方は、デッサン狂いを確認するのに裏返しをするのは手間だから、手鏡を脇に備えていて、そこに何度も映しては修正するという方法をとっていました。
ながやす巧先生の絵は本当に綺麗ですが、絵だけじゃなくて、時代考証や人物設定、衣裳設定などを固めるために2年間あてるのだそうです。原作付きの作品なのに! その設定資料集がちらりと紹介されていましたが、それがもうすごい。そのまま作品クオリティ。誰が見るわけでもないのにここまで書き込むのかという驚きの連続。
時間をかけて磨けば磨くほど輝くものが作れるのだなということを改めて教えていただきました。見習わないといけないです。
ありがとうございました。

追伸
ちょっと調べたらDVDが出てるんですね一巻4000円ぐらいで10巻セットだと4万円。う〜〜〜〜〜ん。買っちゃう?

追追伸
作品にはリンクでアマゾンに飛ぶようにしています。でも私にはなんのもうけもありません。ねんのため。


映画の話

  • 投稿日: 2016年09月05日 著者: 加藤 正晴

シン・ゴジラの話も書いても良いかなと思ったのですが、もうすでに色んな人が語っているようなので、、、

先日書いた『聲の形』ですが、映画の公開が刻一刻と近づいています。
文部科学省がこの映画とタイアップして、小、中,高、特別支援学校にポスターを配布するほか、特設サイトも作成します。
文科省としては、いじめ・自殺防止、特別支援への理解、インクルーシブ教育システムの構築という施策と合致するからなんだそうです。

多くの人の目に触れるのが単純に嬉しいのと、このような動きを実現するために一生懸命努力をした人がいたのだということもまた嬉しいです。それほどこの作品には人の心を動かす力があります。
そういえば、ネットの何処かで、この聲の形(たしか読みきり版)を文科省のどこかの委員会で委員の方が参考資料として提出したという記事を読んだことを思い出します。そうかと思って文科省のサイトに行って議事録を読んだところ(議事録とかってみんな公開されてるんですね)、ほんとにそういうことがあったのをみて、しかもその方が、たしか聾唖協会の関係者の方で、そういう当事者にごく近い方が、この漫画を評価していることをしり、本当に感動しました。

世の中嫌なニュースもたくさんあります。でも良いものが、人々の善意によって広がっていく様を見られると、まだまだ日本も捨てたものじゃないですね。

若干19歳でこの作品の原型を作り、周りの妨害や援助をうけて連載版を書き上げたこの作家は、そのメッセージだけでなく、プロットの立て方、構成、細部への気配りが信じられないほどに芸術的です。これは漫画でしか味わえないものですから、よかったら一度読んでみてください。

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『聲の形』大今良時


マンガの話

  • 投稿日: 2016年04月22日 著者: 加藤 正晴

赤ちゃんは言葉をしゃべりません。しゃべらない赤ちゃんはどんなことを考え、どんなことを伝えたいと思っているんだろう。

それが知りたいとき、僕たち大人は赤ちゃんをよく観察します。赤ちゃんに働きかけ、その反応を観察するという、言葉を用いない「聲(こえ)をかわす」ことで、赤ちゃんについてもっと知ろうとする態度、これが赤ちゃん学の根本的な姿勢です。でも、この姿勢は本当は研究場面だけじゃなく、赤ちゃんに対してだけじゃなく、子どもに対しても、大人に対しても、健常者に対しても、障がいを抱えている人に対しても、すべてに対して持つべき姿勢ですよね。
むしろ言葉を介した会話は、相手を理解するのを妨げることがあるのかもしれない・・・そんなことを以下に紹介するマンガを読みながら思いました。

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『聲の形』大今良時

このマンガは赤ちゃんの話を書いたマンガではありません。耳が聞こえない少女とその少女をいじめ抜いた少年の物語です。いじめと障害というテーマのインパクト、繰り返し読むほどに圧倒される綿密な伏線。初めのうちはそういったものに目をくらまされて、それだけですごいマンガだと思ってしまいます。
でも、はじめの熱が冷めた後にも常にこのことを考えないではいられないぐらい、影響を与えられてしまいました(そんでこんなところに駄文を書いてしまってる^^;)。
このマンガのテーマは、人と人とが繋がることの困難さ、繋がろうとする姿勢の尊さ、そして許すこと、だとおもいます。
精進しないと。。

それにしても日本のマンガ文化はなんて豊穣なんでしょうね!!

7/12追記
映画になるのは知っていたのですが、新たな情報がこんなにでているとは!
演じる方々のコメントが、みなこの作品に真剣に向かい合ってくれているのがわかり、ますます楽しみになっています。
聲の形、キャストコメント




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